On the Outside
今現在私の部屋のBGMはMUSEの新譜。目下サマソニの予習中である。 聞き込んだらそっちの方も感想を書くだろうけど、ここであえてお薦めするのは同じUKでも正反対のテイストのStarsailor。 昨年、しばらくの沈黙を経て彼らはいきなり思い出したように名盤を送り込んできた。MUSEのような派手さはなく、ひたすら美しく、叙情的に、UK ROCKの王道を行く。ボーカルのジェイムズの希有な歌声は、所謂「美声」とは微妙に違う、でもハリがあるのに艶やかな、なんとも言えない心地よさ。 さらっと聴き流してもよし、どっぷり浸かってもよし。決してあなたの耳のお邪魔はいたしません。 ちなみにMETAL GEAR SOLID:3のEDに1stアルバムから"Way To Fall"が採用されていた。こういうさりげない趣味の良さがかの小島監督の小憎らしいところ。 PR True Love Waits: Christopher O'Riley Plays Radiohead
クラシックピアニスト・Christopher O'RileyによるRadioheadのカバーアルバム。 アレンジは素直でけれん味なく、1ファンによる正統な解釈といった印象で原曲の良さを違う角度から堪能できる。選曲も実に秀逸(この人相当好きなんだろうな)。クラシックスタイルで唄われるAirbagの美しさに涙がちょちょ切れそう。 そしてボーカルレスとなったことでRadioheadの楽曲におけるトムの声の重要性が逆説的に再認識されるという面白さ。 *この選曲を見ればRadioheadファンなら手が伸びるはず 1 Everything in Its Right Place 2 Knives Out 3 Black Star 4 Karma Police 5 Let Down 6 Airbag 7 Subterranean Homesick Alien 8 Thinking About You 9 Exit Music (For a Film) 10 You 11 Bulletproof 12 Fake Plastic Trees 13 I Can't 14 True Love Waits 私はUKロックファンを名乗っている割には今まで聴いたアルバムにはムラが多く、人に言えば「あれを聴いてないなんてありえない!」と怒られてしまうような未聴の名盤が結構ある気がしてならない。
FEEDERがそこまでビッグな存在かと言うと微妙なところだけど、いい曲を書きいいライブをする実力派バンドとして多くのUKロックファンに支持されている存在なのは間違いない。 無粋を承知で初めに言ってしまうと、これは名盤である。 1曲目を聴いただけで、自分がこのアルバムを取りこぼしていたことを強く後悔したほどに。 今まで通りの低音の効いたディープな音に、今までにないほどの美しいメロディと格段に表現力が増したグラントのボーカルが浮かぶ。まるで深海を泳いでいるような心地よさ。 彼らは最近のガレージ→ニューウェーブというロック界の流行路線とはまったく違う立ち位置でしっかりと地に足をつけている。このアルバムからは彼らのそういう確固たる自信を感じるし、流行に流されることのない普遍的な良質ロックを聴くことができる。 「酔いどれ詩人」Lee Mavers率いるリバプールのThe La'sが出したアルバムはこの1枚だけ。この1枚で、彼らは「伝説のバンド」と呼ばれている。
なぜ彼らはたった1枚のアルバムで伝説たり得たのか。 一つは、時期的な理由。 発売された'90前半という時期のUKロック界は、U2以後・OASIS以前。つまり正統派ロックの空白の時代、暗黒の時代みたいなものである。人々がシンプルなロックに飢えている時にロックの聖地から登場した彼らは救世主のようなものだった。 一つは、「夭逝した芸術家は伝説に残る」的な現象。もちろん彼らは死んでなんかいないのだが。 そして最大の理由は、あまりに彼らの奏でるメロディが美しく、リフが甘く心を溶かし、ダミ声のボーカルが軽やかにそれらを彩っていたから。03.Timeless Melody、07.Feelen'、そして稀代の名曲05.There She Goes・・・これらの曲を一度聴いてしまったら、彼らがこの1枚だけを残して隠遁してしまったことを嘆く以外に私たちに何ができるだろうか。 余談として、そんな伝説のバンドLa'sが今年奇跡の再結成。新曲こそ発表していないけど、 サマソニで素晴らしい?パフォーマンスを披露した、らしい。見たかったよ。ああ。 悪趣味なジャケに引く無かれ、すべてのUK ROCKファン待望のAshの4thアルバムは、ファンの度肝を抜く超ヘヴィな快作・怪作。
ギュインギュインと唸りまくるシャーロット嬢のギターリフもさることながら、一番驚いたのがパワフルに暴れ回るドラミング。02.Orpheus、09.On A Waveあたりではすごいことに。これが本当にあの火星から来た女の子がどうたらとか歌ってたAshなのかと。 しかしどんなにヘヴィになってもそこはAsh。相変わらずの美メロに甘ったるいTimの声はいうまでもなく健在で(特に05.Star Crossedや10.Won't Be Savedで炸裂)、やっぱりなんだかどこか青臭い。この青臭さこそがAshの最大の魅力であり、これが無くなったらAshではない。 ただここまで音がヘヴィ級だと、フェザー級、いやフライ級のTimの声が多少浮いて聴こえてしまう時があるのは否めなかったりする。野太いTimの声なんて想像できないけど。 青春ロックアルバム。夏の湘南の海、いや北アイルランド出身だからジャイアンツ・コーンズウェイの海とでも言えようか、とにかくそんな爽やかで若々しくて甘酸っぱい若者ロックの名盤。
そもそも基本的に楽曲がずば抜けて良い。なんといっても03.Burn Baby Burnがポップでパンキッシュな超名曲(何かその年の賞を取ったような)。ほかもヘヴィでカッコイイ06.Submissionや09.Sharkや、泣けるミディアムナンバー10.Sometimesもいいし、まあ要するに月並みな表現だけど捨て曲無し。傑作と呼ぶにふさわしいアルバムだろう。 ひたすら耳障りが良い陽性の音と、毒素0%の甘々なメロディライン。 もし貴方が10代だったら、もしくはもし貴方の心に少年少女時代の青臭い記憶への憧憬が残っているなら、自信を持って勧められましょう。 Flanz Ferdinand、The Killers以後、雨後の竹の子の如く次々と売り出されるUKのニューウェーブバンド達。
Maximo Park、Kaiser Chiefs、The Futureheads等々、どのバンドも粒ぞろいで、新人とは思えない手練れたポップ・サウンドを聞かせてくれるが、正直私らはいかにも「ポスト・フランツ」な音に食傷気味なのである。 そんな中で、あのradioheadが所属する名門レーベルParlophoneと異例のスピード契約を結び満を持してデビューした彼らThe Departureのデビューアルバムは、個人的にはタダのフランツ・フォロワーで終わるはずがない何かを圧倒的に感じることが出来た。 このバンドが最も他のバンドより優れている部分、他のバンドに無い物を持っている部分、それは「ロック性」の強さに他ならない。ニューウェーブらしく捻くれてはいても、ギターが色っぽくうねる、ベースが気持ちよく跳ねる。ポップさ追求しがちな今のUKロックシーンにおいてこの傾向は貴重だし、ファンが求めていたものでもあるはず。 アルバムとしては、デビューシングル"All Mapped Out"のいかにも'80風味なサウンドから想像していた「ひたすらニューウェーブかぶれ」なイメージをいい意味で裏切ってくれた。アルバムの冒頭をドラマティックに飾る"Just Like TV"、ポップで歪んだ"Talkshow"等、意外にもバラエティに富んだ楽曲群。このクオリティで結成わずか1年というのだから末恐ろしい。 「最近似たような新人UKバンドが多すぎてどこから手を出していいのかわからない」とお悩みの方には、とりあえずこのThe Departureをお薦めしたい。 |
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